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勘定あって銭足らず

 現金の収支では間違いないにも関わらず、税金計算を行ってみると手元に残った以上に税金が発生することがよく起こります。運転資金の項目で説明した小売店Aさんをモデルケースとして、どうして手元現金が残っていないのに税金負担が発生するのかを説明したいと思います。

税金計算上の費用となるもの、費用とはならないものの分類

費用となるもの
 店舗家賃、改装費、その他費用、仕入費用

費用とはならないもの
 敷金、事業主の生活費(事業主以外の専従者、従業員への給与は費用となります)

 更に面倒なのが税金計算上で損にはなるが、即時費用となるものとならないものがあります。償却の対象となる改装費、その他費用のうち一定のもの、期末在庫分の仕入費用は、税金計算においては費用とはなりません。

 事例として、Aさんの創業1年目は最低限必要な利益40万円(売上130万円)を毎月確保してきたものとします。

  売上 130万円×12ヶ月=1,560万円
  収入合計 1,560万円

  仕入     91万円×12ヶ月+常備在庫分45万円=1,137万円
  家賃     15万円×12ヶ月=180万円
  敷金     90万円
  改装費用  100万円
  その他費用 5万円×12ヶ月=60万円
  生活費   20万円×12ヶ月=240万円
  支出合計 1,807万円

 現金収支だけで考えた場合にはマイナス247万円です。手元現金だけを考えれば、とても税金が発生するとは思えません。

上記を税金計算で見た場合について考えてみます。

 まず費用とはならないものとして敷金90万円、常備在庫分45万円、生活費240万円がありました。これに即時費用とならない償却資産として、改装費用100万円(便宜的に残価0円の10年償却とします)を加えると、以下のようになります。

  売上 130万円×12ヶ月=1,560万円
  収益合計 1,560万円

  仕入     91万円×12ヶ月=1,092万円
  家賃     15万円×12ヶ月=180万円
  改装費用  100万円×1年/10年=10万円
  その他費用 5万円×12ヶ月=60万円
  費用合計 1,180万円

 税金計算の側から見てみるとプラス380万円に変わってしまいます。このプラス金額に対して所得税等の各種税金が発生しますので、本来生活費として使える金額は税引計算後の残った金額だけです。当初予定していた生活費を使い切ってしまった場合には、税金分の資金を新たに調達しなくてはなりません。

  現金主義による所得計算の特例を認められた小規模事業者以外の方は、現金収支計算と、税金計算における収支計算とは一致しませんので、納税予測が如何に重要なのかを分かって頂けたかと思います。

 節税に関しては、改装費用を綿密に精査をすることで10年償却とはせず、5年などより短縮することが可能であったり、改装前の段階であれば償却対象としない方法もあります。生活費についても、状況によっては各種節税方法が利用可能の場合もあります。

 当税理士事務所における税務顧問契約は、長期的な視野にたった事業計画作成や、各種節税提案を含んでおりますので、お客様が有効に活用をして頂ければ当税理士事務所にとりましても幸いに存じます。

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